25:「むきむき〜」
「奇数の友達って難しいですよね」
「そうかな」
「そうですよー。同時に3人で会話というのは、容易でないです」
「容易では、ないかもな」
「だからほら、必然的に1人余っちゃうじゃないですか」
「ふむ」
「その余りがわたしです」
「……」
「…………」
「元気出せよ日出後輩」
「日出後輩元気出します。むきむき〜」
「マッチョ日出後輩か。たくましい」
「たくましいです!」
「深窓の令嬢、のくせにか」
「深窓の奥にはトレーニングジムが…」
「うわあ」
「あつくるしい」
「暑苦しいなあ」
「マッチョなお嬢様って新ジャンルじゃないですか」
「新ジャンルだな」
「開拓しましょう」
「見た目に問題があるかもしれない」
「ときめきがちむちお嬢様」
「とてもいやだ」
「いやぁでもですねー、がちむちじゃなくてもいいですね」
「うん?」
「…深窓ってなんですか?」
「……俗世から離れてればいいんじゃないかな」
「ほらほら、トレーニングは別に俗っぽくなくないですか」
「結局筋肉路線なのか」
「深窓だからって病弱で薄幸とは限らないです!」
「ほう」
「庶民の知らない所で1人ストイックにトレーニングに励むお嬢様」
「新しいな」
「よくないですか」
「頑張って布教したらいいんじゃないかな」
「はっ…布教するお友達がいない…」
「……」
「…」
「元気出せよ日出後輩」
「元気です!」
「それはよかった」
「元気元気ー」
「ていうかまじで友達いないのか」
「今いないだけです!ほっとけー!」
「すみません」
「わたしは量より質派なんです!」
「なるほど」
「浅野先輩もなかなか良質なお友達ですよ!」
「ありがとう」