2013/02/07

18.5: 染まる星 (1)


「宵」
「うん?」
「受験生に紙粘土渡すのは間違ってるだろー」
「ははは」
「遊ばざるをえん!」
「存分に遊びたまえ」
「てゆーか宵のほうが受験近いだろー!」
「ごもっともです」
「大学受験なめんなよー」
「胸に刻んでおきます」
「ピアノ弾いてる場合じゃなくない?りあるに」
「頼まれたもんで」
「弾いてって?」
「そう」
「ふーん」
「これさー」
「うん?」
「題名がないんだけど」
「はあ」
「右上に"す"ってだけ書いてあるんだよね」
「…す?」
「す。」
「…作曲者?」
「かな」
「誰に頼まれたの」
「後輩」
「…帰宅部って後輩できるの…?」
「ピアノ弾いてたら遭遇した」
「…よくわかんねー!」
「俺もよくわかんない」
「へんじんだ」
「気をつけろよー高校行ったら絡まれるぞ」
「え、なんで?しってんの?」
「兄弟の話してて、来年入るかもって言った」
「見えないとこで人の話すんなよー」
「ははは」
「いい人?」
「悪い人ではないだろうなあ」
「なんて人?」
「日出夕霧」
「ひいでゆうぎり」
「うん」
「日が出ずるね」
「日が出ずるな」
「いいとこのお嬢さんみたいな名前だね」
「伝えとくよ」
「やめろー」
「たぶん仲良くなれるよ。昼休みに講堂行ってみたらいい」
「受かったらね」
「受かるよ」
「紙粘土のせいで落ちる」
「ははは」
「どんな人?」
「ぼっち」
「うわー。それはきになる」
「あと」
「あと?」
「ぱきゃ」
「ぱきゃ?」
「なんでもない」
「よくわかんないぞ」
「あ、そういえば紙粘土どうした?」
「つぶつぶにした」
「つぶつぶ!?」
「ほら」
「…つぶつぶだな」
「題名あるよ。夜明け」
「今つけただろ」
「ばれたか」
「日出だけに?」
「ばれたか」