2013/08/21

1周巡ってまた寒くなりそう

31:「案外どこへも行けないもんですよー」

「日出後輩」
「なんでしょう、浅野先輩」
「愚痴を言っていいですか」
「めずらしいですねー!」
「受験生の愚痴だよ」
「おお、悪口じゃないあたり浅野先輩ですね!」
「そんなに良い人じゃないけど…」
「ある程度強くないと悪口は言えないんですよー」
「深いなあ」
「で、愚痴ってなんですか?」
「いや、大した事じゃないんだけど」
「はい」
「2ヶ月くらい旅に出たいなーって最近思う」
「逃避願望!?」
「かな」
「笑い事じゃないですよー、12月中旬ですよ」
「そうだね」
「なんでですか、受験嫌ですか?」
「いや、何だろうなぁ…」
「まあ、そんなときもありますよー」
「ありがとう」
「でもですね浅野先輩」
「…うん」
「案外どこへも行けないもんですよー」
「…分かってる、と思う」
「おかしいんですよねー、どこへだって行けるはずなのに」
「そうだね」
「ふしぎです」
「不思議だな」
「浅野先輩」
「うん、日出後輩」
「逃げるときはつれてってくれてもいーんですよ!」
「か、考えておく」
「ええ、どうでもいい話なら得意ですからね!」
「…そっか」
「どうにかすべきことがどうでもよくなるところまで行けたらいーですね」
「そうだね、気が向いたらそうするよ」
「あっでもそうしたらゆうぎり後輩、灰にならなきゃですね」
「確かに」
「先輩が後ろ向き的さむしんぐを感じた時がゆうぎり後輩の最期です!」
「なにをいっているんだ」
「だから、冗談ですってばー!」
「…」
「…浅野先輩はへんですね!」
「ゆうぎり後輩に言われたくないです」
「最上級のほめ言葉ですよー!」
「ゆうぎり後輩は変になりたいのか」
「え、ええー…どうなんでしょうね」
「なんだそれ」
「わたしは、わたしが普通なの知ってますからー」
「普通じゃないと思う」
「そうですかねー」
「普通、の基準なんて人それぞれだからね」
「そのはずなんですけどねえ」
「…」
「…浅野先輩」
「うん、日出後輩」
「急に旅立ったら探し出してのろってやりますからね」
「こわい」
「ちなみに着た服が必ず後ろ前になる呪いです」
「こわい」