2013/03/03

22

22:「冗談を、言っています」



「雪、積もりましたねえ」
「ようやくね」
「せんたーしけんですね」
「まだ2ヶ月、…も、ないか」
「2ヶ月をまだなんて言う受験生は落ちてしまえ」
「まったくです」
「受からないと許しませんよ」
「頑張ります」
「せいぜいがんばってくださいー」
「善処します」
「してください」
「日出後輩は、ずっとここにいるのか」
「たぶん、いますよ」
「そっか」
「ああ、そうだ、先輩。進路報告しにきてくださいよ」
「…そうだね、うん」
「受かった以外は、聞こえませんからね」
「頑張ります…」
「もし、落ちたらですね」
「うん」
「灰になってやります」
「電気をつけてか」
「ええ。燃え尽きてやります。先輩のめのまえで」
「それはいやだなあ」
「ありがとうございます。わたしを生かしてくださいね」
「いつかも言ってたな、それ」
「ふはは、わたしの生きる意味はもはや先輩しかないですからね〜」
「なにをいっているんだ」
「冗談を、言っています。ふははー」
「いつかも言ってたなあ」
「なんてですか?」
「生かしてくださいっていうの」
「譜読みのときですね。譜読みわすれないでくださいよー!」
「もうすぐできるかな」
「難しいですか?」
「理不尽な難しさじゃないから大丈夫」
「良い曲ですか」
「俺の中では、指折りの好きな曲だと思う」
「そう、ですか」
「いい友達だね」
「ええ、そうでしょう、だって、わたしの自慢なんですから。」
「いいなあ」
「きっと気があうと思いますよ」
「そっか」
「浅野先輩」
「うん、日出後輩」
「わたし、ブーツが嫌いなんですよ」
「やぶぼう」
「まあまあ、きいてくださいよー」
「うん。なんで嫌いなの?」
「えー、だって下駄箱入んないですし、脱ぎ履き面倒だし」
「埋まるぞ」
「男子はブーツなんか履かないじゃないですかー!」
「まあ、そうだけど」
「埋まらないんですか?」
「埋まるね」
「つめたいですね」
「冷たいですよ」
「なんかこう、ゆうぎり後輩歳を重ねるごとに寒がりになってきて」
「歳だな」
「歳です。寒くてしにます」
「生きてください」
「生きます…」
「体には気をつけて」
「人より自分の心配してください。じゅけんせいめ」
「そうだね」